基礎中の基礎!不動産投資のキャッシュフロー計算を学ぶ

A young Japanese boy dressed as a businessman and accountant sits at his desk counting yen with his counting machine. He is surprised with the numbers. Boy dressed in business suit is working hard. Retro styled.

不動産投資の基本中の基本、キャッシュフロー計算について解説します。
どのような物件でも基本は同じ計算方法なので、しっかり覚えておきましょう。

キャッシュフロー計算の用語

満室想定賃料 (GPI:Gross Potential Income)

1年間満室と想定した賃料のこと。

空室想定賃料(EGI:Effective Gross Income)

「満室想定賃料(GPI)」に副収入を加え、空室損を控除した実質的に見込める賃料のこと。
主な副収入には駐車場収入、駐輪代、自販機収入、看板収入、アンテナ設置収入、売電収入などがあります。

運営費用 (Opex:Operating Expenses)

不動産を運営するうえで生じる費用のこと。
主な費用には管理費、修繕積立費、固定資産税(及び都市計画税)、賃貸管理会社への管理委託費、共用部の水道光熱費、ビルメンテナンス費、清掃費、設備管理費などがあります。
※減価償却費は運営費用には計上しません。

賃料純収益 (NOI:Net Operating Income)

「空室想定賃料(EGI)」から「運営費用(Opex)」を控除した不動産事業運営の純収益のこと。

年間負債支払額 (ADS:Annual Debt Service)

ローンの年間支払額(元利金合計)

税引前キャッシュフロー (BTCF:Before Tax Cashflow)

「賃料純収益(NOI)」から「年間負債支払額(ADS)」を控除した税引前の年間収益のこと。

課税所得

「賃料純収益(NOI)」から経費計上できるローン支払利息、減価償却費などを控除した課税対象となる所得額のこと。

税引後キャッシュフロー (ATCF:After Tax Cashflow)

「税引前キャッシュフロー(BTCF)」から、課税所得にもとづく納税額を控除した税引後の年間収益のこと。

概念図

上で示した用語のうち、税引前キャッシュフローまでの関係は以下のようになります。
なお、課税所得、税引後キャッシュフローは、投資家ごとに適用税率等が異なることから省略します。

キャッシュフロー

キャッシュフロー計算の注意ポイント

満室想定賃料(GPI)から空室想定賃料(EGI)

投資用不動産では、「表面利回り6%!」と表現されます。
表面利回りで6%とは、月額賃料10万円、販売価格2000万円(購入諸経費100万円は除く)の物件で次のように計算されたものです。

満室想定賃料(GPI) = 10万円×12か月 = 120万円
表面利回り = 120万円÷2000万円 6%

ところが、不動産経営をしていくうえで空室の発生は避けられません。
テナントが退去して次のテナントが入居するまでにハウスクリーニングなどの期間(ダウンタイム)も必要になります。
空室による利益の逸失分を考慮したのが、空室想定賃料(EGI)です。
アパートなどでは駐車場代などの副収入があったりしますので、満室想定賃料に加えます。

Gate.では独自の手法によって物件の空室率を推計しています。
空室率が10%の場合、実効総収入(EGI)は次のようになります。

満室想定賃料(GPI)120万円 空室による損失分12万円 = 空室想定賃料(EGI)108万円 

空室想定賃料(EGI)から賃料純収益(NOI)

賃貸不動産の運営をしている場合、管理費、修繕積立金、固定資産税、都市計画税、メンテナンス費用などの運営費用が発生します。
賃貸管理を外部に委託しているときは管理委託費も必要になります。
これらの費用が運営費用となります。賃貸経営上の必要経費です。
なお、減価償却費は実際のお金の支出を伴わない経費ですから運営費用には入れません。
減価償却費は課税所得の計算で計上します。

物件の運営経費が、年間で30万円かかったとします。
その場合、

空室想定賃料(EGI)108万円 運営費用(Opex)30万円 賃料純収益(NOI)78万円
NOIベースでの利回り 78万円÷2100万円 3.7%(実質利回り(FCR))

賃料純収益(NOI)から税引前キャッシュフロー(BTCF)

株式投資などの金融商品と異なり、不動産投資では融資を利用することで自己資本より大きな投資をすることが出来ます。
融資を利用することで、投資効率を上げる事が出来る数少ない投資といえます。
物件価格2000万円に対して、借入比率60%、1200万円の融資を利用(借入金利2.5%、借入期間30年の元利均等返済)した場合で計算します。

このとき、年間負債支払額 (ADS)は、57万円となります。(月額47,000円)

賃料純収入(NOI)78万円 年間負債支払額 (ADS)57万円 = 税引前キャッシュフロー(BTCF)20万円

融資利用していますので、2100万円(購入価格と購入諸費用)に対する利回りではなく、投下した自己資金800万円に対する利回りを計算します。

税引前キャッシュフローに対する自己資本利回り 20万円÷800万円 = 2.5%

Glasses and ballpoint on top of a stack of documents.

不動産投資で失敗しない秘訣

賃貸不動産の運営においては、希望観測的な計算は禁物です。
地域によって空室率は異なり、さまざまな費用負担、融資の支払いまでも考慮しないといけません。
また今回は初年度のみ計算しましたが、将来的に「賃料が下がる」「物件価格が下がる」ことも想定しなければなりません。
不動産投資の失敗の主な原因は、楽観的な収支予測による計算に基づいた意思決定をしたことです。
妙な話ですが、最初から失敗する物件を購入したから投資に失敗するのです。

しかし、空室率をどのくらいを見込めばいいか、どのくらいの空室まで耐えられるか、借り入れ条件(金額、期間、金利)を変えたらどうなるか、賃料はどのくらい下がるのか、運営費はどの程度見込めばよいか、投資家がすべてを想定することは困難です。
では、どうすれば投資の失敗を防ぐ事が出来るのか。

答えは、膨大なデータに基づく客観的な数値に基づいて将来までを含めたキャッシュフロー計算をすることです。
購入前にデータに基づく高精度なキャッシュフロー予測が出来れば、失敗が予想される物件を避ける事が出来ます。
当社は、5000万件超(2017年3月時点)の不動産データを保有しており、このデータに基づき独自開発した人工知能(Opus)が将来予測を行い、高精度の将来収益予測を可能にしました。

不動産の分析から購入、売却まで投資に関わるコンサルティングをご提供しております。
個別のご相談は下記よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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